ウィスット・ポンニミット、五十嵐大介、山田胡瓜。奈良県一繊細な落語家のセレクトする「八楽文庫」

会社勤めのかたわらで落語家として活動する八楽さん。彼は、生まれ持っての芸人なのです。マイクなしで選挙演説に臨めるであろう声、そして絶妙な身のこなし。彼が細い路地を抜けてtoiへ現れるその瞬間、室内から庭を臨むアルミサッシの窓枠は、スクリーンと化すのです。

そんな彼が、「八楽文庫」を始めました。

ウィスット・ポンニミット、五十嵐大介、山田胡瓜。その一冊一冊が、わたしの世界を拡張してくれます。

AIが浸透した未来の生活を描くことで「人間とは何か」を問う「AI」。

「台風は船なんだ、記憶、時間、精霊も幽霊もみな嵐の中ですれ違う」「人間の中にはたくさんの記憶の小さな断片がバラバラに漂っていて、何かのキッカケでいくつかが結びつく。その、ちょっと大きくなった記憶に、更にいろいろな記憶が吸い寄せられて、結びついて大きくなっていく…それはまるで、星の誕生、銀河の誕生する姿」「言語は性能の悪い受信機みたいなもので、鯨のうたや鳥の囀りアザラシの泳ぐ姿のほうが、ずっと豊かに世界を表現している」と続く「海獣の子供」。

「それでも生きていく」ことを讃える幻覚ピカソ。

つい一昨日、布団から起き上がりたくない朝を、八楽文庫に助けられる場面がありました。

「ウソでしょ」と思うことが続いて、圧倒された朝。どれだけ呼吸しても、うまく息が吸えない月曜日。身の置き場を与えてくれたのは、八楽文庫でした。

「怪獣の子供」を読み終えてすっかり気を取り直すと、もうひと頑張りできそう。うまく1日の始まりが切れない朝、あなたも八楽文庫へようこそ。大丈夫。きっとうまくつながります。